すさまじきもの 〜歌枕★探訪〜 |
和歌の浦(和歌山市)
古典の美しいしイメージに憧れて現地へ行って、今でも「これはすごい!」と思えるところは本当に少ない。 和歌浦は都市近辺にありながら、現在でものどかな光景が残り、万葉の世界に導いてくれる。 |
元祖 ご当地ソング!!
若の浦に潮満ち来れば潟を無み葦辺をさして鶴鳴き渡る | 山部赤人(万葉集) |
和歌の浦に潮が満ちてきた。そのため干潟がなくなり、鶴が 芦の生えているところに向かって鳴き飛んでいるよ。 |
和歌山に釣りに行った時に和歌浦を歩いてみた。![]() 潮は満ちていなかった。 ![]() 妹背山。 和歌の浦に浮かぶ島。 徳川時代に観海閣という楼閣が島内に築かれたらしい。 ![]() 妹背山には三段橋という石橋を渡っていく。 ![]() 「芦辺屋」茶屋跡。 夏目漱石の『行人』にも登場。主人公がここのエレベーターを見て感嘆しています。 南方熊楠と孫文が会ったのも芦辺屋。 (もちろん、この『芦辺』は赤人の万葉歌からの引用) ![]() 現地にあった案内板 ![]() 「あしべ橋」 昔からあった不老橋の隣に建設された。 景観問題で住民運動があったが、この「あしべ橋」は石造り風の見事な出来栄えで、問題ないと思う。 和歌浦の景観に見事に溶け込んでいた。 ![]() コンクリート製ラーメン橋、4連アーチ。和歌山産の緑色片岩で装飾 ![]() 和歌浦一帯は緑色片岩が大胆に露出しており、地学ファンにとっての聖地でもある。 ![]() 「不老橋」 これはこれでVERYGOOD。 「あしべ橋」に並んでいる。 ![]() 海岸方面に歩いて行く。 すると、なんと鶴っぽい形の鳥がいた!! ![]() <上記写真の拡大図> ![]() あれ、鶴タイプの鳥の後ろに黒い鳥の影が!! ![]() 潮が満ちてきたからか、鶴が鳴き渡っていく。 黒い鳥も一緒に飛び立った。 山部赤人はこのような情景を見て、あの名歌を詠んだのか! ![]() 片男波公園に入る。 もちろん『片男波』も赤人の万葉歌から命名されたもの。 ![]() 片男波から振り返ってみる。向こうに妹背山 ![]() こちらは名草山、紀三井寺。 「名草山」も万葉の歌枕。 |