すさまじきもの 〜歌枕探訪〜


和歌の浦(和歌山市)

古典の美しいしイメージに憧れて現地へ行って、今でも「これはすごい!」と思えるところは本当に少ない。
和歌浦は都市近辺にありながら、現在でものどかな光景が残り、万葉の世界に導いてくれる。



元祖 ご当地ソング!!

若の浦に潮満ち来れば潟を無み葦辺をさして鶴鳴き渡る  山部赤人(万葉集)
和歌の浦に潮が満ちてきた。そのため干潟がなくなり、鶴が
芦の生えているところに向かって鳴き飛んでいるよ。


 和歌山に釣りに行った時に和歌浦を歩いてみた。

潮は満ちていなかった。


妹背山。
和歌の浦に浮かぶ島。
徳川時代に観海閣という楼閣が島内に築かれたらしい。


妹背山には三段橋という石橋を渡っていく。


「芦辺屋」茶屋跡。
夏目漱石の『行人』にも登場。主人公がここのエレベーターを見て感嘆しています。
南方熊楠と孫文が会ったのも芦辺屋。
(もちろん、この『芦辺』は赤人の万葉歌からの引用)



現地にあった案内板


「あしべ橋」
昔からあった不老橋の隣に建設された。
景観問題で住民運動があったが、この「あしべ橋」は石造り風の見事な出来栄えで、問題ないと思う。
和歌浦の景観に見事に溶け込んでいた。


コンクリート製ラーメン橋、4連アーチ。和歌山産の緑色片岩で装飾


和歌浦一帯は緑色片岩が大胆に露出しており、地学ファンにとっての聖地でもある。


「不老橋」
これはこれでVERYGOOD。
「あしべ橋」に並んでいる。


海岸方面に歩いて行く。
すると、なんと鶴っぽい形の鳥がいた!!


<上記写真の拡大図>


あれ、鶴タイプの鳥の後ろに黒い鳥の影が!!


潮が満ちてきたからか、鶴が鳴き渡っていく。
黒い鳥も一緒に飛び立った。
山部赤人はこのような情景を見て、あの名歌を詠んだのか!


片男波公園に入る。
もちろん『片男波』も赤人の万葉歌から命名されたもの。


片男波から振り返ってみる。向こうに妹背山


こちらは名草山、紀三井寺。
「名草山」も万葉の歌枕。












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